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FIP

猫の伝染性腹膜炎のことをFIPといいます。

この病気は大変恐ろしい病気で、発症するとほぼ間違いなく死亡してしまいます。
この病原体の正体はコロナウイルスというものです。

コロナウイルスは人間ではサーズウイルスが有名です。
エンベロープというウイルスの外側の膜が太陽の周りに見える「コロナ」に似ているからこの名前がつきました。

この猫のコロナウイルスは、通常は腸管の中に住んでいて下痢なんか起こすウイルスですが、ある時変異を起こすと凶暴化します。
ウイルス自体も怖いのですが、このウイルスを退治しようと出てきた自分の免疫細胞が反応を起こします。
それが複合体となり腎臓につまってさらに炎症をひきおこしたりもします。
体中全てが炎症を起こすといっても過言ではないくらいにいろんな症状をだしながら宿主(猫)を死に追いやります。

昔は、診断が不正確でありましたが最近はリアルタイムPCRという方法でわずかなウイルス自体を検出・定量する(数を数える)ことができるようになったため正確になってきました。
しかし陽性は陽性と言えますが、陰性はウイルスが増える前は診断が難しいので何回も検査が必要になります。

学生時代に友人の研究で、培養した猫の腎臓の細胞にこのFIPウイルスを入れたところ、翌日には全ての細胞が死滅しているのを見てなんて恐ろしいウイルスだなと思いました。
実際にFIPの子を治療すると、私の中でその恐ろしさがさらに何倍にも増幅しました。
私が知る限りFIPを治す治療法は存在しません。
ウイルスを減らしたり、延命する治療法はありますが。

でも今も世界中の研究者が治療法を探してくれています。
だからとても期待しています。
もうあんなに苦しんでいく子たちを見たくありませんから。
私も研究について知って、何かフィードバックできるものがあればいいなぁと思っています。

とりあえずは友人たちの研究に期待したいと思います。


補足

FIPは怖いウイルスですが、弱いウイルスで外界にでると乾燥などで死滅します。
アルコールなんかでも死んでしまいます。
まずは蔓延しないような努力も必要ですね。

蔓延する場所は、主に多頭飼育のトイレなどです。ほどよい湿気がありますからね。




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検索キーワード

検索キーワードを見るとこのブログにどうやってたどりついたかが分かります。

最近、本当に増えたのが「費用」「治療費」という単語です。

この未曾有の不景気は、動物を取り巻く環境も変えていきそうです。

最初は「100年に1度の不景気」って言っても何も変わらないじゃん!って思っていましたが、最近は患者さんの数も明らかに減りましたし、検査を希望されない方が増えてきています。

いろいろ切り詰めて、最後に(治療費を)削ることになってきた・・・ということなのでしょうか。

飼い主さんの気持ちも考えると切ないなぁと思います。

でも私も人事ではなく、自分の生活がありますからね

私にできることは、異常を見逃さないでちゃんとやるべき検査をするということ。
ちゃんと説明して薬をしっかり飲ませることの意味・意義を理解していただくこと・・・でしょうか。

コードブルー

コードブルー見ました?

私は毎回欠かさず見てます!

暇な獣医と思われちゃいそうですね

今回は先週から続きで「医療訴訟」に発展するところまでのお話でした。
全力で尽くして、いろいろ悩んで考えて患者さんのことを思っていても訴訟になる、というのが今の世の中みたいです。

まず、医療関係者に対しては、診てもらえば「なんとかしてくれる」という患者さん側の期待があり、それがかなわなかったときの失望が怒りに変わり最終的には訴訟ということになってしまう。



ドラマですから「フィクション」と言われればそうなのですが、実際にヒト医療に比べて規模も小さい動物病院でも同じようなことは起きています。
たぶんヒト医療の現場ではもっと深刻な問題なのでしょう。

そんな私も、「ありがとう」と患者さんに言っていただく一方で、別の患者さんにはひどい憎しみをもった目で見られたこともあります。

ひどく傷つきましたし、こんなに憎まれる仕事が他にある??なんて自問しながら働くこともありました。




4月から働く新人獣医さん!
一緒にがんばりましょうね(笑。

続きを読む

聴診

私は音楽の才能がなく、特にひどく音痴で、音楽の通信簿はいつも「2」

でも音楽を聴くのはすごい好きでMP3プレイヤーやMDプレイヤーで通学・通勤時に必ず聴いています。

昔からやっている自分なりの楽しみは、音楽の中のいろんな楽器の音を探すことです。

「あっ、今ベースの音が鳴ったとか、ギターが鳴ったとか、なんかわからないけど違う楽器が鳴っているな」とか。

これが結構、おもしろくて電車の中でぼーっとしながら、頭の中で響く音を探しています。

この遊びが社会人になってから、意外と活きています。

それは聴診

お腹の音は単純ですが、胸の音は心臓と肺の音、場合によっては喉の鳴る音や吠えた声などが混ざってとても複雑なんです。
そこから自分の聴きたい音だけを選んで聴くということが、とても難しくて苦労するとこですが、日頃の「遊び」と同じ要領で聴くと・・・

新人の時に、何もできなくて、何もわからない自分に唯一できたのが聴診でした。
だから今でも必ず聴診をします。

爪きりでも聴診、足が痛いって言われても聴診。

まぁ、怖がって咬んでくる子には無理にはしないですけどね


もうすぐ春です。

国家試験に受かった新人さんが病院に入ってきます。

是非、彼らには初心を忘れず聴診からがんばってほしいです。

なんてエラソーなこと言ってみました。  
恥ずかしい

誤嚥性肺炎

誤嚥とは、食べ物や吐物が気道に入ってしまうことで、特に誤嚥性肺炎は大変恐ろしいです。
本来入るはずのない吐物などが入ると、口の中の細菌などが肺で急激に増えたり、胃液が肺を傷つけたりしてあっという間に肺が機能しなくなり低酸素状態になり死亡することがあります。

今までの経験では1日か2日くらいで死亡してしまうことが多いです。

しかも、一度入ると肺を洗浄することも獣医療では難しいので「ただ」見ているだけということもあります。

そんな誤嚥性肺炎ですが、どんな時に誤嚥が起きるかというと・・・・

・手術時、後の嘔吐
・体力が低下している時の嘔吐
・強制給餌の失敗
・嘔吐している時にのバリウム検査

などなど。

防げる誤嚥性肺炎はできるだけ、注意しないといけません。
手術当日に、ゴハンを食べさせてきてしまう方がよくいますが、実は大変怖いことなのです。


数年前ですが、離乳前の子犬にミルクを与えようとした飼い主さんで誤嚥させてしまい子犬を死なせてしまった方がいました。
どんな理由があろうと離乳前に、給餌に慣れていない飼い主さんに販売するなんて許せないと思いました。

その飼い主さんの落胆と自己嫌悪に陥っている様子をみれば誰もがそう思うはずです。

日本は子犬・子猫の販売方法が自由です。
ある意味野放し状態ですから、こんな悲劇に度々出会います。

みんなで現状を知って、変えていかないといけないですよね。
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