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ミトタン

ミトタンで検索してきてくださる方がいるので、自分のミトタン経験談を少し・・。

ミトタンはもともと副腎皮質腫瘍に対するいわゆる「抗がん剤」です。

しかし副腎腫瘍が少ないせいもあって、ほとんどがPDH(下垂体性副腎皮質機能亢進症)の治療に用いられています。

このお薬は副腎皮質を不可逆的に破壊する作用があります。

なので、使いすぎると副腎皮質が全く機能しなくなるアジソン病になってしまいます。

以前勤めていた病院で他の獣医師が治療をしていてアジソン病状態となり亡くなってしまったことを覚えています。

今ほど、アジソンやクッシングに対する認識がなかった頃なのでその当時の私もなんで亡くなってしまったのか理解できていませんでした。

さらに成書には用量がいろいろと書いてあるわけですが、いきなりその書いてある用量で投与すると調子を崩してしまうことが多いと思います。

そのせいかミトタンを使うことにためらいのある方が多いのではないでしょうか。

今では東大の先生の書いている方法で「半分量から様子をみながら徐々に増やしていく」という方法を行っていますが、安全に使うことができてなおかつトリロスタン(デソパン)より明らかに改善していく子が多いように思います。

お腹が垂れ下がって、身動きとれないくらいの子がトリロスタンをいくら用量上げても改善しなかったのに、ミトタンに変えたところ喜んで走るくらいまで回復した例もありました。

こういう子ばかりではありませんが、本に書いてあることと自分が経験することの乖離があると感じます。

そもそも副腎皮質機能亢進症がなぜこんなに多いのか・・・気になります。

犬たちの中で何か起きてるの?って心配になります。

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副腎皮質機能低下症

1人の獣医師が原発性副腎皮質機能低下症の子に出会うことは、多くはないと思います。

それは、病気自体がめずらしいことと病気に気づかないことが多いからです。

特に、その症状がいろんな病気と似ているので「偉大なるものまね師」などと言われ、例えば「腎不全」などと誤診されることがあります。

具体的な症状といえば・・

食欲不振
元気消失
多飲多尿
震え

など別の病気にも当てはまるような症状ばかりです。

私のそんなに長くない獣医師経験の中で、今までに4頭の原発性副腎皮質機能低下症(アジソン病)の子たちと出会いました。

その子たちからとても貴重な多くのことを学ぶことができました。

まだ経験の浅かった時の私は、そのうちの一頭の子をその「偉大なるものまね師」にだまされ、うまく診断できなかったという苦い記憶があります。


正確には「今思えば・・・・」ということなので、本当にアジソン病だったのかはわかりませんが。

でもその子のことは今でも忘れることができません。そして当時の自分を責めています。


その経験からもアジソン病に対しては、かなり慎重になってしまいます。





そもそも副腎とはどんな働きをしているのかといえば

1.球状帯からミネラルコルチコイド(アルドステロンなど)を分泌する

2.束状帯からグルココルチコイド(コルチゾールなど)を分泌する

ということをしています。


1.のミネラルコルチコイドがでなくなると具体的にどうなるかというと、

・高カリウム血症
・低ナトリウム血症

となります。

高カリウムは心臓の動きを止める恐れがあるし、
低ナトリウムは血圧を下げ腎臓への血流を減らし腎前性腎不全となります。
どちらも致死的な症状で大変怖い状態です。

そして
2.のグルココルチコイドがでない場合は、

・低血糖
・ストレスに対する不耐性でショック症状(アジソンクリーゼ)
を起こします。
どちらも致死的な症状で危険です。

そうです。犬のアジソン病は大変怖いのです。


一般的に治療方法はでている症状に対しての対症療法(例えば高カリウムならカリウムを下げる治療)と同時に、ホルモンの補充を行います。

よく使われるのが

酢酸フルドコルチゾン(フロリネフ)とプレドニゾロンです。


このフロリネフですが、1錠数百円するもので、しかも毎日2回服用しなくてはいけません。
ですので1ヶ月で数万円という金額になることもあります。

そのほかにも安価なヒドロコルチゾン(コートリル)を用いる方法もありますが、電解質のコントロールがうまくいかないことがほとんどです。


そしてこのフロリネフでも電解質のコントロールがうまくいかないことが1例あって、その時に用いたのがデソキシコルチコステロンピバレート(DOCP)です。
海外にしかないお薬ですが、フロリネフに比べると安価で、なおかつ約1ヶ月に1回の注射で済むという気軽さもあります。DOCPがなぜ日本にないのか・・・とても不思議です。フロリネフが高すぎて治療できない患者さんたちには是非使いたいお薬です。





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甲状腺機能低下症

ホルモン検査はむやみに行うべきものではない、と思います。

なぜならホルモン検査は「偽陽性」が出やすい検査だからです。

ホルモンは我々が思うほど単純ではなく、体は体の全ての状況を見ながらホルモン分泌量を決めています。だから機械のように一定ではないし、「他の理由」があってそのホルモン量になっているのに、それを病気と診断してしまうことがあります。

特に甲状腺機能低下症は診断が難しく「偽陽性」が大変多い病気と言えます。

甲状腺機能低下症の偽陽性を説明する前に用語の説明からはじめたいと思います。

(トリヨードサイロニン)
甲状腺ホルモンの1つ

(サイロキシン)

甲状腺ホルモンの1つ

f-T3、f-T4>
、T4からたんぱく質がとれたもの。量が少ないが、こちらのほうが活性が強い。

TSH(甲状腺刺激ホルモン)
下垂体前葉(脳)から分泌され、甲状腺から甲状腺ホルモンを分泌するように命令する。

用語説明は以上です。

甲状腺機能低下症は犬で多い病気で、猫ではまず見られないです。
甲状腺ホルモンは代謝の促進という働きをしますので、これが減少すると

・なんとなく元気がない
・体重が不自然にふえる
・毛ヅヤや悪くなる(脂漏症や膿皮症)
・背中や尾の脱毛
・顔が悲しいようにみえる(皮膚が垂れる)
・神経症状(発作、前庭障害、ナックリング)

などの症状が見られます。この「症状」が見られないにもかかわらず検査をすると、その「数字」にだまされることが多々あります。

もし、その「症状」が見られたらまずは病院内でできる検査をします。

・CBC(血球計算)
・中性脂肪、コレステロール

などを測定すると、軽度の貧血が約40%、高コレステロールが約80%で認められます。
これで確定診断はできませんので、疑わしい症例は甲状腺ホルモンの測定を行います。

甲状腺ホルモン測定といっても用語説明であげたような複数のホルモンがあり、すべてを測定すると莫大な費用がかかってしまいます。
そこで一般的には、T4をまず測定します。

しかしこのT4測定が厄介なんです。
その理由は感度が高い検査なのですが、特異性が低いからです。

つまりとりあえず異常かどうかはちゃんと診断できるけど、本当にそれが「甲状腺機能低下症」なのかは正確性に欠ける、ということです。

では甲状腺機能低下症以外のどんなときにT4が低下するのか。
これをちゃんと理解していなと、数字にだまされることになります。

一番に注意が必要なのが、服用中の薬がある場合です。

・ステロイド剤
・非ステロイド剤(鎮痛剤)
・利尿剤
・抗てんかん薬
などはT4の値を下げます。

次に
痩せている、高齢、重病の時などもT4を下げます。

こんな疑わしいときはf-T4を合わせると誤診が減ります。
f-T4はT4と異なり、感度は低いのですが、特異性があります。
この組み合わせで感度と特異性のバランスがとれるのです。
他にT4とTSHを組み合わせるなどの方法もあります。

薬の服用をやめられる場合(抗てんかん薬の場合はやめるとてんかん発作が起きてしまいます)は休薬後6週間経てば、正しい値が出ますので、休薬してからの再測定が望ましいです。

我々がよくみる偽陽性例は

ステロイドを服用しながらのT4測定
重病の時のスクリーニング検査でのT4測定

です。

どちらもちゃんとした「症状」があればいいのですが、そうでないときは本当の甲状腺機能低下症ではないかもしれないのに、ホルモン剤を与えることになりかねません
そして一旦、甲状腺機能低下症と診断されればそれからずっと補充療法が始まりますので、飼い主さんの費用もばかになりません。

でも、最後に注意を

偽陽性の話を中心に書いてしまいましたが、正しい甲状腺機能低下症の検査と治療は、動物のQOLの改善のために必要で、さらに未治療で麻酔をかけるとリスクがあがるとも言われています。

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副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

検索キーワードで「副腎皮質機能亢進症」「犬」で調べてくださった方がいるので、もう少し詳しく述べてみたいと思います。

特に治療方法については注意が必要で、「なんの反応がない」とか「元気がなく、震える」という場合など注意が必要です。




私の病院は各病気毎に治療記録をまとめているので、クッシング治療だけでもかなりデータが蓄積してきています。
データ数からみてもクッシング症候群はめずらしい病気ではなく、犬においてよく見られるということがわかります。

現在の獣医療におけるクッシング症候群の治療のゴールデンスタンダードは「デソパン(トリロスタン)」という薬です。
この薬は当初、「可逆性」の薬で安全であると言われ急速に使用されるようになってきました。要は薬を止めれば元に戻るということです。
今でも「デソパン」で検索すると多くの動物病院のホームページには「可逆的」で「安全」と書かれています。
(勉強不足かホームページの更新不足??




最近の論文では実は「デソパンは副腎を壊死させることがある」という症例が報告されているのです。
つまり「可逆性」ではなく「不可逆性」のお薬ということです。
薬を止めても元にもどらない可能性がるということです。
クッシング症候群の反対の病態をアジソン病と言いますが、行き過ぎたクッシング症候群の治療は医原性アジソン病になります。
私の病院でもデソパンで治療中に医原性アジソン病になることがあります。ここで通常は調整のためにデソパンの用量を下げて元に戻ることがほとんどです。
しかし可逆性のはずのデソパンを減量、休止しても医原性アジソン病が治らない症例がありました。
おそらくデソパンのまだよくわかっていない作用によって副腎が壊死したものと思われました。

医原性アジソン病の場合でもホルモンを補充すれば命にかかわることはありません。

なので必要以上にクッシング治療やデソパンを恐れる必要はありません。

しかし、デソパンを可逆的だと信じて治療することは怖いと思います。

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クッシング症候群

クッシング症候群

病院で、「太りすぎ」だからと減量ダイットフードを勧められて半年以上あげているのに一向にやせなくて、どんどん食事を減らせっていわれてそのうち元気までなくなってきちゃって・・・。

その子は見た目はたしかに太っていたけれど、それは食事や運動のせいではなく「クッシング症候群」というホルモンの病気でした。
病気のせいで体がどんどん変わっていたのに、食事を減らされる一方・・・。
ちゃんと診断がくだされないがために・・・。
その子の気持ちを考えるといたたまれなくなりました。

最近は動物用検査センターの普及によりホルモン測定というものができるようになり血液を採るだけである程度診断できるようになりました。
しかし、まずはその病気を知らなければ検査すら行うことができません。




クッシング症候群について特徴を挙げてみます。


まずは
・太ってくる。
・お腹が膨らんでくる。筋肉が減少し肝臓が腫大するため、お腹がたれてくる。
・水をよく飲む。おしっこをいっぱいする。
・ごはんを良く食べる。(ゴミ箱をあさるぐらい異常な食欲がでることも)
・毛が薄くなる。(左右対称のことが多い)
・皮膚が薄くなる。(わかりにくい症状ですが、皮膚の下の血管がよく見えるようになったりします。)
・皮膚の表面にゴツゴツした塊がでてくる(カルシウムの沈着物です)
・息遣いが荒い。呼吸する筋肉の減少や肝臓の圧迫などが考えられる。

一般血液検査(動物病院内でできる検査)で
・ALP(アルカリフォスファターゼ)が異常に高い。
・コレステロール値が高い。
・GPTも高いことがある。

あとは
・ニキビダニがなかなか治らない。
・傷が治らない。傷ができやすい。(皮膚が裂ける)
などなど・・・症状はさまざまです。




クッシング症候群について簡単に補足・説明すると・・・

どんな病気?
副腎という臓器から副腎皮質ホルモンが過剰に分泌される病気。
副腎に命令をだす下垂体(脳)に問題がある場合を下垂体性クッシング症候群(PDH)といい
副腎に腫瘍がある場合を副腎性クッシング症候群(AT)という。
ほとんどがPDHでATはめずらしい。
PDHは原因が下垂体であるため、下垂体が腫れてくると、神経的な発作を起こすこともある。

どうやって診断するの?
まずは臨床症状があるかどうか。
そのうえで生化学検査を行う(ALPの異常とそれに伴うGPTの異常など)。
生化学的検査で異常がある場合はエコー検査で副腎をチェックしつつ、ホルモン検査(ACTH刺激試験)を行う。エコー検査では副腎の腫瘍がないかどうかと、副腎のサイズを測定。だいたい直径が7mm超えると怪しい。ACTH刺激試験は下垂体からでるホルモンと同じものを注射でいれて副腎の反応(コルチゾル量)をチェックするというもの。投与前は正常範囲内で、投与後に25μg以上になっていると疑わしい。
エコーチェックしない病院は技量不足で、画像検査なしにそのまま治療始めることはしないほうが良い。
ACTH刺激試験は擬陽性がでるので、その検査結果だけで治療するとクッシングの反対の病態であるアジソン病になり、体調崩したり死亡することもある。

治療方法は?
PDHはのちに発作がでる恐れもあるので外科的に下垂体を摘出するか、放射線を照射することもある。しかし、多くの飼い主さんは内科的(お薬)治療を希望されることが多い。
ATは腫瘍化している副腎を摘出しますが、血管などにまきついている場合は摘出困難なこともある。
内科的には
トリロスタン(デソパン)
オペプリム(ミトタン)
抗真菌薬(ケトコナゾール)
を用いるのが一般的。
そのうちPDHはトリロスタン、オペプリム、ATはオペプリム、ケトコナゾールで治療するケースが多いです。
どの治療法をとっても高価な薬ばかりで、ホルモン調整に失敗すると逆に体調をくずし死亡するケースもあります。
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